PREV | PAGE-SELECT |

≫ EDIT

価値観の違いと言われればそれまで

海街diary 1 蝉時雨のやむ頃海街diary 1 蝉時雨のやむ頃
(2007/04/26)
吉田 秋生

商品詳細を見る


三姉妹のもとに、15年前に借金と女性関係で
離婚していなくなった父親が亡くなったと連絡が。
離婚の2年後、あっさりと子どもを祖母の元に残して母親は再婚。

葬儀に行った先には、腹違いの中学生の妹。
そして妹の母親はすでに他界していて、
父親は再再婚していたと。

お父さんの「今の」奥さんも三姉妹の母親も似たタイプで
ひと目も気にせず、まわりがドン引きするほど泣けるストレスがたまらないタイプ。
今の奥さんは、めそめそ泣くばかりで、遺産の相続の交渉は叔父任せ、
喪主としての出棺の挨拶を中学生の娘にさせようとし、
三姉妹の長姉(小児病棟の看護師)に

「大人がするべきことを子どもにさせてはいけないと思います。
 子どもであることを奪われた子どもほど哀しいものはありません」
と諭され、ムッとしながら妻だからやりゃーいいんでしょという態度に。

という流れに今まで同感していたんだけど、
先日、読み直して、ああ、そうかと。

ガンを患った父親を最後まで面倒見たのは「今の」奥さんではなく
中学生の妹。
それが分かっていながら、長女が大人として奥さんに感謝を述べた後に

「ああいうタイプが死にかけてる病人と向きあえるわけないじゃない。
 いるのよねー、時々。現実を受け入れられなくて尻込みしちゃう家族が。
 (中略)
 以前はものすごく腹が立ったけど、それはそれでしかたないと思うようになったわ。
 死んでいく人と向き合うのは、とてもエネルギーがいることなの。
 許容量が小さいからって、それを責めるのはやっぱり酷なのよ」

死だけじゃなくて、あらゆるトラブルに対する許容量が小さい人間に
私が振り回されることが昔からあり、
お前ら、自分で何とかする気は少しはないのかっ!?
と、内心、多かれ少なかれ思っていたけど。

色々な苦労や辛いことを受け止められる器の大きさって
人によって違って、努力して大きくできる人もいるけど
頑張っても大きくできない人も、大きくしようと思うことすらない人も。

その辺は周りの人間がああだこうだ言っても何とかなるものじゃなくて
本人が器が小さいままでも、すぐまた次の頼れる人を探す能力があれば
困らなかったりするから、しょうがないんだなぁと。

先日、血液検査のために病院に行った際に、
ぜんぜん、しっかりしていない妻の検査予約のために
夫が付き添っているという感じの年配の夫婦がいた。

診察室から何十分も出てこないので、
重大な病気が判明し大きな病院へ転院かと思いきや
おびえる妻と、しっかりものの夫の両方に説明するために時間がかかったよう。

妻はてんぱってて検査の説明が頭に入らないようで、
「じゃあ、ご主人に説明しておきます」と、医師とは違い
てきぱきと事を進める看護師。

血液検査だけでも大騒ぎで、「妻は病院嫌いなもので・・・」という夫。

処置室のそばで待っていたので丸聞こえで
(はー、ああいう人生もあるんだなぁ。楽そうだなぁ)と、一瞬思ったけど

(いや?夫が先に亡くなったりした場合に大変そうだなぁ。あそこまで頼りないと。
 頼れる次を探すまでの苦労や見つかるまでの不安を考えると
 やっぱ、今の自分の性格の方が楽だ)
と、即座に思い返した。

クリニックで済む程度の検査であの騒ぎだと、先々に入院手術とかのさいは
本人も周りも大変そうだもの。

| 読書 | 00:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ぜひ、レシピ本を出して。

きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)
(2007/11/22)
よしなが ふみ

商品詳細を見る


息子の誕生日にこの本に載っていた、とりモモ肉のオーブン焼きを作るために
本棚から引っ張り出したまま、リビングに置いといたら、
子どもらが読みまくってた。

「ねー、この人の仕事って何?」

「弁護士」

「このふたりって、両方ゲイなの?」

「そうだけど・・・、お前、読んで分からないの?」
と、息子の読解力にちょっと疑問を感じたり。

この本自体はゲイの方がネット上で
「ゲイだと知られたときに、フツーにかあちゃんにホウキ持って追いかけられた」
なんて表現に異論を唱えていたけど、難しいことは分からないので
フィクション&レシピ本として読んでいる。

奥様向けのレシピ本はなんだか、分量とかこまこましてるし
男の手料理的なレシピは、んなもん毎日作ってたら、食費がいくらになるんだ!?
的なものが多いので、この作者のざっくりした料理は参考になる。
(こんにゃくの下ゆでなんかしないけど、私は)

それにしても、話の設定として2人で暮らしているゲイカップルで
食費の予算は2万5千円(8千円以上浮く月も)

作者の底値リストなんか見ると、えー、この二人が住んでいるのって
どこって設定だろう。
(作者は中野あたりに在住だっけ?)

私が歩いたことのある商店街では京浜急行線の梅屋敷の物価が
めちゃくちゃ安かった覚えがあるけど。

このふたりなら、物価上昇の中でも予算どおりの食費で
美味しいものを食べて暮らしていそうな気がする。

ちなみに私はケーキを買いに行ったときに
(あ、小麦粉と牛乳類の値上げがここまで影響されているのか)
と、値段を見て驚いた。

お祝いだから買いましたけどね。

| 読書 | 01:09 | comments:1 | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

好きか嫌いか、分からんかと評価が分かれそう

赤い文化住宅の初子 (F×COMICS)赤い文化住宅の初子 (F×COMICS)
(2003/06)
松田 洋子

商品詳細を見る


レンタルDVDで「赤い文化住宅の〜」という題名を見つけて
気になっていたら、もともとは漫画だったようで購入。

自分が昔、親と住んでいたのが文化住宅と呼ばれていたけど
ネットで調べると文化住宅とは、モダンと洋風が売りだったはずが
私が住んでいたのは、どこかモダン?洋風?というくらいの
まー、なんというか長屋としか言えないものだった。

風呂から上がったときに、サンダルを履いて土間から
部屋に移動するような作りの家って想像できないだろ。今の子には。
(父親が特大の長いすのこを作ったので、それは免れたが)

だから、この漫画は、親がいなくて(ホントは父親は生きてたけど)
兄貴が高校中退で働いていて、自分も進学をあきらめた
ケータイが普及している時代に文化住宅に住んでいる女の子
って設定で、うぷっとなるほど貧乏が予想できた。


気になったのが表紙の初子の目で
写真で見ると、この年頃の自分も同じように
なんというか覇気が無い死んだような目をしてる。

まあ、私の場合はカメラが趣味だという父親が
被写体そのものよりも、ピント合わせや光による露出あわせなどに
こだわりまくり、被写体には動くな笑うななどと
なんというか、これ単なる記念写真だろ?
写真と子どもとどっちが主役なんじゃ?という状況で撮られてたけどな。

漫画の感想としては、初子のため息がやたら多く
なんだか読んでいる私のほうまで、はふーと気力が抜けていくような。

中学生の女の子が、こうまで薄幸だったら
次から次へとやってくる不幸を受け流しつつ
どこかにちょっとだけ希望をもってもいいかなぁという
初子に近い行動になると思った。

中学女子が『自分で幸せになったる、チャンスの女神カモン!』
とは、ならないだろ。いろいろな意味で無力だから
と、なんっつー覇気のないヒロインじゃー!と思いながらも
あ、そっか、最近の少女マンガのヒロインや
マスコミに取り上げられる一部の家出少女がたくましそうに見えるだけだと気付く。

初恋の相手といつか家族になるという希望を持っているものの
遠距離恋愛になってしまい、初子は就職で
相手の男子は進学校の高校生。

現実だったら、貧乏で電話すら持てない初子が
生活に追われて連絡を取れないでいる間に
相手の男の子は自分と同じような生活をしている女の子と新しい恋をしていて、

「だって、お前、電話もくれないじゃないか」
という相手の事情も考えない逃げ口上で別れるパターンになる気がするけど
そこまで作者が書かないあたりがファンタジーといった感じ。

私は何度か読み返したけど、うちの子ども達が読んだら、
「なんだか、さっぱり何が面白いのかよく分かんない」
というだろうなーと思いました。

| 読書 | 00:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

私はマコト君というボーイが面白いと思った。

ウリ専!♂が♂にカラダを売る仕事 ウリ専!♂が♂にカラダを売る仕事
松倉 すみ歩 (2006/02/10)
英知出版
この商品の詳細を見る


ゴロゴロしつつも1日半くらいで完読。
内容が薄いから早く読めたのではなく、
非常に面白かったので。

本を出版された当時、作者はまだ20代。
豊富なボキャブラリーと表現力から、もっと年上の方かと思った。
あとがきを読むまで気がつきませんでした。

ウリ専というのは簡単に説明すると
男性が男性に体を売るところ。
名称が変に英語でごまかしてあったりしないで
直接的なのがなんだか興味深いなぁと思います。

ストレートというかノンケの男性向きの風俗は
私あたりが聞いても、いったいどんなサービスを提供しているのだか
よく分からないものがあるんですがね。
(女性が売り手だからイメージを穏やかにするためでしょうか)

ウリ専にしろ女性がする風俗にしろ
辞め時というのが難しいんじゃないかなぁと常々思ふ。

なにせ18歳から20代前半の若者が売り手であり
通常ならその年代の子は、親の仕送りやまだ安い給料で
地味に暮らしている人が大多数。
(自宅通学通勤で余裕がある子もいますが)

毎日、数万円を手にし常に財布に入っている状況から
時給数百円のアルバイトやら10数万の給料での生活に
移行するのは難しいだろうなぁと。

だから私個人としては短期に大金が稼げる仕事と認識して
目標額を決めてちゃっちゃと辞めていくような子が好きなのですが
まだ自分は若い売れると思い続け
ずるずると商品として鮮度が落ちてからも続けているケースもある。
(あまり稼げない状態)

よっぽど個性や特別な売りがなかったら
買い手にとったら若い方がいいという世界なので
割り切りは必要な感じがします。

さて、ウリ専にいるボーイはゲイとは限らず
ノンケ男性が仕事と割り切っていることもあるそうですが
あんまり手取り額が良くないなぁと言うのが感想。

道路工事の仕事よりちょっといい程度???

観光化している店じゃなくて、ゲイ専用の店に
オーナーの知り合いとかで女性客が来ることもある表現がありましたが
この女性客というのをゲイボーイが嫌がる。

相手をするのはバイやノンケの子ですが
「なんか女性は自分たちに対して遠慮や思いやりが無い」
という感想。

思うに、あまりお金を持っていない遊びなれていない女性が風俗の場に来ても
どうしても台所感覚を引きずってしまうのじゃないかなぁと。
(お金があって遊びなれている女性だとホストクラブ辺りへ行くのか?)

払った金額分、きっちり取り戻そうとするから
要求がエスカレートするんじゃないかなぁと。

買い手の女性が若かったり容姿が良ければ、売り手まではいかなくても
フツーに男性に誘われ、相手はくどくためにあれこれお金を使うのに
そこからはみ出してしまった自分へのなんか複雑な思いもありそう。

以前、ライブに知り合いと行った時に
ステージ近くでアーティストの顔が見られる席と
3階席の端っこのこの席が同じ値段だというのが
納得できないとしきりに言っているのを聞いて

(あ、そういう感覚自分にはないなぁ)と思いました。

チケット申し込んで手元に来て席が分かるまでが、
ささやかな博打のようなもので
それ自体をけっこう楽しんでいました。

風俗っていうのは払った金額でついた相手の容姿性格などが
本当に自分の好みに合っているかどうか自体がバクチな気がするんですけど。

まあでも、風俗にも「チェンジ」というシステムがあるそうで
(女の子目の前にしてできないという男性もいますが)
博打にも限度があるといった感じなんでしょうか?

私が面白いと感じたマコト君というボーイは
売り上げナンバーワンのボーイで
「H大好き!お金までもらえてサイコー」と言ってますが
一生やっていける仕事ではないことを分かっている様子と
家族の理解があるせいか(ゲイであることもボーイであることも)
中学生の頃からさらっと周囲にカムアウトしているあたりがいい。

イジメにもあっているのですが
「殴られてノンケになるもんじゃなし」と、名台詞。

他者は見たいように自分を見るということを
よく分かっている頭がいい子だなぁと感心しました。

| 読書 | 00:28 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

自分の幸せと男がワンセット?

嫌われ松子の一生 通常版 嫌われ松子の一生 通常版
中谷美紀 (2006/11/17)
アミューズソフトエンタテインメント
この商品の詳細を見る


以前、友人が映画館で観てすっごい感動したと言うので
いつか観てみようと。
TVドラマ版を観たときに、なんかイヤな予感と共に
フェードアウトという形で観なくなりましたが。

愛に生きる女というと聞こえはいいけれど
男なしには生きられない女。
その底辺には子ども時代に父親に愛されなかったという
ぶすぶすとした不満が。

愛されたいと強く願いつつ、他者を愛するのって
無償の愛って気はしないんだけど
彼女の昔の教え子はそういう風に感じた様子。

『私の人生は終わった』というフレーズが多用されていたけれど
なんべん人生終わらせたら済むんじゃー!?
と、ツッコミを入れながら観てました。

この人の幸せって(幸せの青い鳥のオチみたいに)
実家に戻ればあったんだけど、
不器用すぎてその時期を何度も逃しまくっちゃったんだなぁ。
(「ただいま」を言えて「おかえり」を言って欲しかった人生。
 ちょっと厳しい)

| 読書 | 14:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT |